すみれ色ハイウェイ

元バス屋で高速バス好き写真家の活動誌

空前絶後の真夏

f:id:masa_kei_bus:20200813053447j:plain

 帰省ラッシュ、多数の乗客を乗せて各地へ向かう高速バス。バスを走らせる運転士と、バスを送り出す乗り場係員の連携プレー。日本の夏の風物詩とも言えるシーンです。

 例年通りなら夏休み、とりわけお盆の帰省ラッシュは、民族大移動と言っていいレベルの人の移動が日本各地で発生するはずでした。高速バスにおいても、他の交通機関の充実や運転士不足等の事情で一時期に比べて衰えたりとはいえど、各方面へ大量の増便が出るのが当たり前でした。

 

 しかし、今年に入って世界的に流行している新型コロナウィルス感染症は、一時は感染縮小の兆しを見せたものの再び拡大。そのため移動需要は落ち込んだままで、高速バスは引き続き運休する路線・あるいは再開したものの再び運休する路線が続出。運行している路線においても、減便をしてもなお空席が目立ち、増便を出すどころか定期便1台分の集客も覚束ない状況すら見受けられます。

 

  繁忙期に多数の増便を出し、全国的な大移動の需要に応える姿は、高速バスの醍醐味でもあると私は思っています。また、元バス会社従業員として多数の乗客を乗せた続行便を多数送り出し、大移動に貢献したというやりがいを感じていた身からしても、現状はあまりにも寂しいとしか言いようがありません。

 コロナの影響が沈静化するか、ワクチンが開発されるまではこの状況は続くと思われます。せめて来年の夏には、民族大移動とそこで活躍する高速バスを見ることができるよう願っています。